美優の場合

2/9
8人が本棚に入れています
本棚に追加
/24ページ
その日は、バイト仲間の連中と新宿で合コンだった。 私はあんまり行きたくなかったんだけど、結佳の強烈なお願い攻撃に屈伏し、しぶしぶ参加してきた。 やはり、思っていたとおりで、これは!ってメンズはいなかったし、料理もイマイチだったから、とりあえず呑んで帰るかと呑みに撤して、何事もなく普通に酔って部屋に帰ってきた。 部屋に着いたら、軽くシャワーでも浴びるつもりだったんだけど、バックを置いてベットに座ったら、なんとなくダルくなってしまい、知らぬ間にそのまま寝てしまっていた。 どれくらい経った頃だろう… 閉じている瞳に、青白い灯りが点滅している感覚に気がついた。 モゾモゾと灯りのする方に右手を伸ばすと、何かに触れた。 左手で目蓋の上をゆっくりと擦りながら、右手に触れたものを確かめてみる。 それは、私のではない携帯電話だった。 「これ…誰の?」 独り言を口からゆっくり吐き出しながら、知ってる人の携帯を思い出してみる。 ダメだ… 思いつかない。 仕方なく、軽いため息をついていると、その携帯に何らかの着信を知らせるランプが点滅していた。
/24ページ

最初のコメントを投稿しよう!