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その日は、バイト仲間の連中と新宿で合コンだった。
私はあんまり行きたくなかったんだけど、結佳の強烈なお願い攻撃に屈伏し、しぶしぶ参加してきた。
やはり、思っていたとおりで、これは!ってメンズはいなかったし、料理もイマイチだったから、とりあえず呑んで帰るかと呑みに撤して、何事もなく普通に酔って部屋に帰ってきた。
部屋に着いたら、軽くシャワーでも浴びるつもりだったんだけど、バックを置いてベットに座ったら、なんとなくダルくなってしまい、知らぬ間にそのまま寝てしまっていた。
どれくらい経った頃だろう…
閉じている瞳に、青白い灯りが点滅している感覚に気がついた。
モゾモゾと灯りのする方に右手を伸ばすと、何かに触れた。
左手で目蓋の上をゆっくりと擦りながら、右手に触れたものを確かめてみる。
それは、私のではない携帯電話だった。
「これ…誰の?」
独り言を口からゆっくり吐き出しながら、知ってる人の携帯を思い出してみる。
ダメだ…
思いつかない。
仕方なく、軽いため息をついていると、その携帯に何らかの着信を知らせるランプが点滅していた。
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