―2人で―

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「チー…千絵……こっち向いて…」 「や…恥ずかしい…」 いまだ冷めやらない余韻に浸りながら 千絵を抱き寄せる 初めて千絵と一つに溶け合った… そんな 幸せなまどろみの中 私の首を千絵が指差す 「ちゃんと外さずに付けてるんだ…これ…」 「当たり前でしょ 初めてお揃いで買ったものだもの。」 「んふ…千絵…幸せかも」 とろけるような 幸せ顔の千絵に 幸せを感じる 何とも言えない…満ち足りた幸せ 大好きな人と 肌を合わせる幸せ きっと これは『男』だからとか 『女』だからとかじゃなく 『愛し合う者同士』にしかわからない幸せなんだと思う 同じ『行為』だとしても そこに『愛』があるから満ち足りた気持ちが残る 気づくと 千絵は小さな寝息をたてていた 千絵の息遣いと鼓動と 温もりを感じながら 私もいつしか 深い眠りについていた
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