3章

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自由出勤ってことか。悪くないわね。 バイキングだなんて、夕飯代も浮いたって事じゃん。ラッキー。 ちょっと、興味あり。 「でも私、まだ高校生なの」 年はすでに18才になっていたが、卒業するまでは法律上バレるとやっかいなので、面接のみにしていた。 「あなたのような人が来てくれるんでしたら、待ちます。卒業式が終わってから、見学にでもいらしてください」 と、男は名刺を差し出した。 ちょっとマヌケな感じがするけど、紳士的で優しい口調。 今まで見てきたキャッチはやたらキメキメで、バカっぽい話し方のヤツばっかりだったけど、こいつは新しいタイプのキャッチだ。 「気がむいたらね──」 仕方なく、というふうにして、私は名刺を受け取った。 「ご連絡、お待ちしています」 礼儀正しく頭を下げると、その男は去って行った。 THE GOLD サブマネージャー 村田義弘 私は名刺をしばらく眺め、無造作にバッグにつっこんだ。
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