1章

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彼女たちが登校する時は、まだ高校生なのにヴィトンのバッグにディオールのネック、高校生のバイト代じゃ毎月1着買うのがやっとな値段の憧れのブランドの服で、道端でどうどうとタバコを吸っていてもおまわりさんに補導されないだろうといったカンジの格好だ。 「あれ、きっと貢ぎ物だよ」 私のクラスメイトのマミが半分僻みっぽく言った。 「すごいね。おじさんたちからあーゆうのタダでもらっちゃうんだ」 私は羨ましそうに言う。 「まっ、朝美が持ってても似合わないけどねっ」 マミがバカにしたように言い捨てると、さっさと教室に入っていった。 「失礼ねっ。ブランドなんて興味ないもんっ」 一人ふてくされながら続いて私も教室に入った。 ──興味ないもん。 キャバ嬢なんて。 グッチなんて。MIU MIUなんて…。 私には、関係ないもんね。 関係、ないもん。
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