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heaven、ヴィーナス、エンジェル、ラフォーレ…
「う~ん、ここもダメ!同伴のノルマがキツすぎ!」
何枚もの名刺や求人誌を並べ、私はイトコの由衣の部屋でぼやいた。
「朝美、ホントにやるの?」
不満そうに由衣は聞いた。
「だって、それしかないんだよ──」
私は高校卒業を目前にして、イトコの家に居候させてもらうことになった。
母がアル中で、ここ数ヶ月前までは薬で落ち着いていたが、症状が悪化して、ついに私に暴力をふるうようになったのだ。
今までは友達の家を転々としていたが、ついに宛がなくなり、心配になったイトコの両親が、私が卒業して落ち着くまでこの家においてくれる事になったのだ。
幸い、イトコの家は近所で、由衣とは産まれた時から一緒で、姉妹みたいなもんだった。
「ちゃんと就職しなさいよ」
「そんな時間ないよ。今すぐにでも家出たいし、由衣んちにずっといるわけいかないし」
本当なら高校なんていかないで働きたかった。
アル中の母にうんざりして、中学の頃から卒業したらさっさと働いて家を出るって決めていた。
でも、おばぁちゃんとの約束で、高校までは出る、と決めた。
その約束が、あと1ヵ月で果たされようとしている。
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