―壊レモノ―

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連れられて来た 女の子の家 外と同じように、黒で形成された室内。 外よりやや殺風景な気もする。 『さぁ入って』 女の子の開けた寝室も、殺風景な作り。 言ってしまえば こんな可愛らしい女の子の部屋なんて、思いたくは無い。 私の後ろには 密着するように、くっついているコイツ。 セクハラで訴えるぞコイツ。 私の黒髪も、黒いスカートも黒いハイソも こんな黒い部屋じゃ、なまぬるい黒だった。 ぬるい黒って何だろうな…。 『此処は狭いから二人が寝るにはキツイだろうけど、大丈夫かしら?』 寝る!? コイツと寝るのかっ!? 私は驚愕した。 この少女は何の冗談をぬかしてるんだっけ? 私が、この不審者と寝ると? 冗談じゃない。 こんな不審者と寝かされたら、私は明日の朝、冷たく横たわってしまうじゃないか。 『大丈夫よね?ごめんなさいな。私は用事が有るから此れで。お休みなさい。』 少女は私に反論の隙を与えずに去って行った。 なんて…冷血…っ! 『私寝るから。お休み。じゃっ!』 だから私も、この不審者に反論の隙を与えずに、傍にあった布にくるまった。 多分反論なんかしないだろうけどさ。 『明日の朝、私が死んでたら慰謝料払え。』 そう言い残して私は目をつむった。 …呼吸をする音だけが、やたら大きく聴こえていた。 コイツも 息をしたりしてんのかな…? 少女は何処へ行ったのかな…? 私を包む暗闇。 だんだんと打ち付けて来る睡魔の波に私は呑まれ 私は 深い深い眠りについた…。
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