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『次、なの』
『は?』
少女の言葉は最初理解が出来なかった。
『次なのよ』
『さっき見たでしょう?私の手首の革紐。』
『あぁ、うん。』
『次の革紐で百なのよ…。』
今まで少女の話は聴いては居た。
だからこそ何となく、理解は出来た。
『次。収集者が来たら、私は壊されるの。ねぇ恐いかしら?』
私はまだ理解出来なかった。
《壊される》と言う事がどういう事なのか。
『ねぇ貴方も壊されるんでしょう?』
少女が語りかけたのは、私…の背後霊。
コイツは只、つっ立っていた。
『本当はもっと前に壊されるんだったんでしょ?貴方の腕には百以上の革紐があるはずよ…。』
私も何気なく、背後霊の手元に視線を落とす…。
明らかに少女の革紐より多い。
『逃げていたの?収集者から…』
少女の言う通り、コイツは逃げてたのかもしれない。
そして逃げてた挙げ句…
私の居た世界に迷ったりしたのかもしれない。
この背後霊のような人間も、目の前のあどけない少女も
壊されてしまうのだろうか…?
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