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現在八時。
あと二十二時間だ…。
収集者を追ってみたいが…。
下弦に都合が悪いだろう。
って、何で下弦の都合考えてんの、私?
下弦は所詮、背後霊の不審者の殺人鬼だ。
全部私の偏見と差別だけど。
『…ねぇ。収集者を追いかけようだなんて…思わないで?』
少女にも、都合は悪いのだろう。
『彼等は本当に恐ろしいのよ?私達を壊しに来るわ…。』
少女も…
両親を失った時、ショックを受けたのだろうか…?
『…私、貴方の名前が知りたいわ。』
少女が、私の予想もしなかった事を言った。
私の…名前…。
『私の名前は…、直人…。』
直人…。今更、名前が出てくるなんて思わなかった。
私は、この名前が嫌いだ。
男みたいだし、男に間違えられるし、男みたいな名前だから。
『直人…。可愛らしい名前ね。』
そんな男らしい名前を、この少女は、可愛らしいと言うのだから驚きだ。
世の中の流れも変わったものだな…。
『ねぇ、私にも名前を付けて?』
少女が微笑んだ。
否、顔に映る影のせいで
そう見えただけかも知れない…。
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