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私は目の前が真っ暗になった。
比喩や何とかじゃなくて、本当に目の前が真っ暗になった。
決して手持ちのポケ●ンが居なくなった訳じゃない。
真っ暗な中。
アイツの声が聴こえた。気がする。
何か言ってたけど、私には理解不能だ。
さっきのアイツの気持ちが良く解る…。
もうアイツの事をアイツと言うのは止めよう…。
哀れだ。
アイツじゃ無くて、何て言おう。
いや、もう面倒臭いから、アイツでいいや。
何時まで暗闇が続くんだろう…。
正直うんざりだ。
目が暗闇に慣れすぎで、なんか見えて来そうだ。
うぜー…
暗闇じゃないなら、何でも良いから。
何か起これ!
つまらない!
『あ――――!』
私はとうとう気が狂った。
って思ってられるから、まだ気は狂ってないだろう。
またアイツの声が聴こえた。
ボソボソと呪文みたいに言ってる。
なんなんだアイツは。
その時―!
ガンッ
私は鈍い音と共に思いっきり、腰を打った。
本当に痛い。激痛だ。死にたくなる。
『…っぅ!』
痛いと声が出なくなる。
タンスの角に足の小指をぶつけた時以上の激痛だ。
痛いが立てない程じゃない。
私は本能的に立ち上がった。
その私の目の前に広がった光景…。
暗闇の中の暗闇の世界―…。
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