†最強だった少年†

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春の暖かい陽射しも少し強くなってきた5月下旬。 「ふぁ~」 とある学校の校門の前で大きな欠伸をした少年がいた。 「ここが今日から通う学校か………思っていたより平和そうだな、ここなら普通の生活が出来そうだ」 等と独り言を言いながら少年は校門をくぐり昇降口を目指す。 昇降口に入り靴を脱いでそこら辺のスリッパを履いて職員室に向かった。 幸い授業中なのか、生徒とは全く逢わず、無事に目的地の職員室にたどり着き、 「さてと、どんな奴が担任なんだろうな」 と、僅かな期待を胸に秘めて扉を開け放つ。 すると――― 「凶ちゃ~~~ん」 扉を開けた先から二十代前半と思われる女性が抱き着こうとしてきたが少年はそれを何事も無く避けて口を開いた。 「何度も言っているが、その名前で呼ぶな彩乃、それと抱き着くのもやめろ。」 凶と呼ばれた少年は床に伏せている彩乃と言う名の女性にそう言うと職員室の中に入って行った。 「あいたた……、もぉ~、統夜は照れ屋さんね」 彩乃はそう言いながら統夜の後を追って職員室に入って行った。
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