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「さてと、何から話そうか………」
統夜は少女に話しかけようとしたが、話題が浮かばず迷っていた。
「あのっ!」
統夜が考えにふけこんでいると、少女の方から話し掛けてきた。
「ん?」
統夜は深く考えていて、少女からの掛け声を呆然と答えた。
「えっと……貴方が私を助けて…くれたんですか…………?」
少女は怖ず怖ずと統夜に訊いた。
「あぁ、俺が助けた、悪かったか?」
統夜は少女の問いに正直に答えた。
「いえ!助けてくださり、ありがとうございます」
少女は統夜の疑問をはっきりと否定して、頬をほんのり赤くしながら御礼を言った。
「別に礼を言われる程の物じゃねぇよ」
そう言いながら、統夜はベットに腰を下ろした。
「そう言えば、名前を聞いてなかったな、俺はか………暁 統夜だ」
統夜は少女に向き直り、一瞬、口ごもったが、名前を言った。
「変わった名前ですね、私は、アリス・S・ゼルヴィラガーです」
そう言って、少女アリスは統夜に軽く会釈をした。
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