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「さて、茶番はここまでじゃ、
今からおぬしには試験を受けてもらう」
今だ笑顔を崩さない学園長は口調を変えず統夜に言う。
「はっ?…試験はもう受けただろ?」
統夜は学園長の言葉に疑問を思い聞き返す。
「確かにこの学園に入る試験は受けてもらった、しかし今言った試験はクラス分けの試験の事じゃ」
顎髭をゆっくりと撫でながら学園長は統夜の疑問に答え、
「なんだ、そういう事か」
納得した統夜は静かに頷いた。
「うむ、理解出来たら移動するとしようか」
緩やかな動作で学園長は腰を上げて統夜に部屋の移動を促し職員室を出て、統夜も学園長の後を追うよう職員室を後にする。
「「………」」
カツカツカツ
二人とも口を開かないかず、静寂な廊下に床を蹴る音が響き渡るが、周りに人気が無くなると統夜は静かに口を開いた。
「…なぁジジイ、一つ聞いていいか?」
「ホッホッホ、言ってみろい」
「何故、入学試験とクラス分け試験を一緒にやらなかった?」
職員室で学園長が言った事は余りにも非効率であり、統夜は裏があると読んでいた。
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