01 傷を負った少年

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新しい教室、新しいメンバー。   人見知りの私は、中々人に話しかけることが出来なかった。 ただでさえクラス数の多い学年だ。喋ったことのない人は山ほどいる。   そんな私の隣の席に座っていたのは、一風変わった男の子だった。 初めて見る男の子だ。 右目に、眼帯をしている。 騒ぎ声の絶えない教室の中、ひとり威風堂々と、窓際の席に腕を組んで座っていた。 窓から外をぼんやりと見ている。 眼帯に興味を惹かれ、ちょっと正面から顔を覗いてみる。
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