~冬~

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      ―――――…… ――キーンコーンカーンコーン チャイムが1時間目の始まりを告げ、 1-Cには国語の教師が入ってきた。 だが、そこに 明の姿はなかった。 「えぇ…では、授業を始め」 ――ガラッ 「遅れてすいません…」 後ろのドアが開き、 1人の生徒が入ってきた。 「どうしたの? 藤尾さん、早く席に着いて」 「はい」 席に着いた梓は さっきの階段での出来事を思い出していた。 (あの後、宮島くんは帰っていった。 きっと、瑞希の家に……) 教科書を持つ手にグッと力が入る。 (なんで…… なんで瑞希なの?) 梓は下を向き 唇を噛み締めた。    
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