~冬~

12/13
2704人が本棚に入れています
本棚に追加
/148ページ
    「……明」   瑞希の涙が俺の肩に、 いくつかの染みを作った。 「見えなくなってもいい」 「……え?」 瑞希を抱き締める腕に 一層力をこめた。 「瑞希の目が 見えなくなっても、 俺の声が 聞こえなくなっても、 瑞希が俺に 気付かなくなっても、 俺はずっと、 瑞希の隣にいる。 ずっと、 ずっと、 支えてやる」 いつしか 俺も泣いていた。 でも、心の奥には 強い"決意"があった。 「……ありがとう…明」 俺達は泣いた。 まるで、 小さな子供のように 疲れ果てるまで、 泣き続けた。      
/148ページ

最初のコメントを投稿しよう!