《見えない世界》

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もう辺りが暗くなったころの話だ。 男は疲れていた… ふらふら家路をたどっていると バス停があり、お婆さんがそこにいた。 しばらくすると、 一台のバスが男の近くで停まった。 「丁度いいや」 男はそれに乗り込んだ。 「運転手さん、西区までいくかい?」 ……。 なんでぇ、無愛想だな まいっか しばらくして、バスは停まり、お婆さんが乗ってきた。 あいにく席がいっぱいだったので譲ることにした。 「お婆さん、席どうぞ」 立ち上がり促したが あろうことかシカトされた。 「…。」 ……? 男は立ち、お婆さんも立ったままで、席だけがあいた。 なんか変だぞ。 ……次は花園、花園。 花園⁉… よくみると乗客の顔はみんな元気がなかった。 まさか… 連れてかれる… きっとこのバスは俺とは違う世界のバスだ‼‼ やばい、誰も聞いてくれないはずだ… 今、このバスに乗ってて外からは俺しか見えてないんだ‼‼‼ 連れてかれる‼‼ なんてバスにのっちまったんだ 男はバスを慌てて飛び下りた。
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