2/5
前へ
/281ページ
次へ
さて、日記も書いたし…… そろそろ寝るかな。 俺は携帯を閉じて枕の横にある充電器に携帯を立てた。 チャラーンと陽気な音が流れて俺は舌打ちした。 マナーにし忘れたか…… 寝る時はマナーにしとかないと睡眠を妨害されるかも知れない。 自然に起きる事以外は寝覚めが悪いったらない。 俺は電気を消して布団に潜り込んだ。 やっぱり暗いのは落ち着く…… そう思って携帯のサイドキーを長押しした。 それでマナーになる筈だ……が、音楽が鳴った。 煩い着うたが流れて俺の眠気は一気に覚めた。 マナーにするより先に着信が入ったのだ。 「誰だよ……」 時間は夜中の2時過ぎ。 こんな時間に電話出来る人はとても常識的な人間なのだろう。 俺は一人、嫌味を洩らして携帯を開いた。 発信者は……元カノだ。 「今更……何だよ」 正直な話、俺達はあまり良い別れ方はしてない。 お互い、もう連絡を取る事は無いと思っていた。 しかもあいつは、あの日…… そんな事を考えていると着信音が止まった。 ……まぁ良いか。 考えるのもアホらしい。 今更話す事なんて無い。 すると、また着信音が鳴った。 発信者は同じ奴だ。 「…………」 出りゃ良いんだろ、出りゃ。 「もしもし?」 俺はそう言って電話に出た。 彼女は聞こえているんだろうが無言のままだった。 俺はもう一度、もしもしと言ったが変化が無かったので別の言葉を発した。 「悪戯電話に付き合ってる暇は無いんだ、切るぞ」
/281ページ

最初のコメントを投稿しよう!

14人が本棚に入れています
本棚に追加