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「待って……」 そいつは初めて言葉を発した。 声は弱々しく、今にも泣き出しそうだった。 「……何だよ」 少し待ったが次の発言が無かった為、俺は急かした。 「あ……ごめん、あの……ね??」 あぁ……苛々すんなぁ。 言いたい事があるならはっきり言えよな。 「日記……見たんだけど……」 ……だからなんだよ。 こいつが見たという日記は俺が個人でやってるブログの事だ。 まだURLを残してたのか…… 「私、一葉の事……邪魔とか思った事ないよ??」 彼女はそう言った。 確かに俺は日記に、あの日、あの場所にあいつが来なかったのは俺の存在が邪魔だったからだ、と書いた。 「今更……どうでも良いだろ」 俺は冷たくそう言った。 例え、そうだったとしても、そうじゃなかったとしても……お前が来なかった事実に変わりは無い。 ならどう思おうが俺の勝手だ。 「良く……ないよ」 彼女はそう言ってから、一気に"言い訳"をし始めた。 「あの日の事は……ごめん。でも私の話も聞いてよ。あの日は行けなかったの、友達と約束してたんだもん」 「あぁ、なるほどな。それなら仕方ねぇな」 電話越しでも分かる。 俺がそう言うのは意外、お前はこう思ったに違いない。 まぁ俺がお前の期待に答えれる返答が出来るとは思えないが。
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