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「友達との楽しい一時に俺の存在は邪魔な訳だ。そりゃ仕方ねぇよな」
俺のその皮肉に彼女は怒りを隠せずにいた。
それ位は口調で分かる。
「何でそうなるの??誰もそんな事言ってないじゃん」
「言ってなくても態度でそう言ってんだよ」
あの日、別れて一週間後…俺は、会いたいと言ってあいつの家に行った。
まだ好きだったから。
嫌いになる事も、忘れる事も出来なかった。
まだやり直せると思っていた。
だが……一人相撲だった様だ。
5分で良かった……
俺の話を聞いて欲しかった。
俺からしたらそんな些細な願いさえも叶えずに、あいつは俺とは会わなかった……
そんなお前の言い訳を……何で今更聞かなきゃならない??
「出来ればまた付き合いたかったけど、今は違う。お前を好きだった事も、やり直せると思ってたあの頃も、今は恥でしかない。お互い、時間の無駄だったな」
俺はそう言って、電話を切ろうとした。
これ以上は……話が出来そうにない。
「友達で……良いじゃん……」
耳から離した携帯から、微かにそう聞こえた。
俺は電話を続けるか迷ったが、携帯を耳に当てた。
話を聞く事を選んだ。
「友達で良いじゃん、100が駄目なら0なんて悲しいよ……」
「俺は、記憶から消したい。お前との過去を。じゃなきゃ前に進めないから」
もう……戻れないんだよ。
友達にすら……
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