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「あの娘めっちゃ可愛くね??」
道行く人、皆彼女を見ては似たような事を口にした。
言わなくとも心ではそう思った人も少なくはないであろう。
(腹減ったなぁ……)
当の彼女は、そんな事はお構い無しで歩いていた。
身長154cm、体重42kg(自称)
髪は茶髪のセミロング、切れ長の目に小さな鼻、胸もお世辞にも大きいとは言えない。
彼女はこれを"バランスが保てている"と言う。
少し口を開けると八重歯が見える。
彼女はこれを"チャームポイント"と言う。
服装は制服。
何処かの高校の物だろうか??
青いチェックのスカート。
白のブラウスに黄色のリボン。
カバンは黒、これは指定されたカバンではない様だ。
(マックにでも入ろうかなぁ)
でも一人じゃなぁ……
そう独り言を言いながら、人通りの激しい道を歩いていた。
特に目的もなくただブラブラと。
「あ……あのさ」
彼女は、ん??と言って振り返った。
そこには二人の男が居た。
制服を着ている所を見ると何処かの高校の生徒の様だ。
話し掛けたのは右の男。
髪は長く、彼女と大差無い。
男は鼻を擦りながら彼女に話し掛けた。
「あのさ、今……暇??」
彼女は唇に人差し指を当てて彼を見た。
(ナンパか??顔はそこそこ……髪型とはっきりしない口調は頂けんが、まぁ相手してやるか)
そう吟味した後に、彼女は彼の質問に答えた。
「まぁ、暇かな??」
「ならさ、どっか行かね??」
何処かによるなぁ……
そう思い、何処に行くの??と聞いた彼女に答えられた回答は……
「取り敢えず、マック行こうか」
彼女は二秒沈黙して、三秒後に何かを口にしようとしたが、四秒後にそれを止めた。
(……あたし、これパスだわ)
彼女は先程自分が行こうとした所なのに、いざ誘われたら不満らしい。
「シケた男にキョーミないの」
彼女はそう言って後ろ手を振って立ち去った。
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