秘密

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「ナンパしといて行くとこマックって!!どんだけ財布が危ういねん。自分の腹より財布の中を満たせっちゅーねん」 彼女は関西弁丸出しで独り言を言っていた。 自分の意思で行くのは良いが、ナンパされて行くのは嫌らしい。 そんな身勝手街道まっしぐらの彼女はコンビニに入った。 (肉まん、肉まん) どうやら肉まんが食べたいらしい。 だが、レジの横に備え付けられている筈の加湿器が無い。 「あのぉ……肉まんって無いんですか??」 「あぁ、もう暖かくなったんで止めてるんですよ」 けっ、シケとんのぉ!! 大体、暖かいってお前のさじ加減やんけ!! ウチはまだ寒いねん、ドアホ!! 思っても口にはしなかった。 彼女は変わりに菓子パンを買って店を出た。 「んまんま、肉まんよりこれの方が美味しいかも」 彼女は菓子パンを食べながら道を歩くという、非常にお行儀の悪い事をしながら目的もなく歩いていた。 信号に捕まったところで彼女は足を止めた。 「ん??」 彼女は後ろを振り返った。 が、見えるのは人込みだけ。 あまり後ろを見ていても変なので前を向いた。 それから彼女は人通りの少ない道を歩いた。 個人商店などが並び、ゴミが外に出されていてあまり綺麗な所ではない。 猫がそのゴミを引っ掻いて残飯を漁っていた。 何ヶ月前のゴミだろうか…… 辺りには異臭が漂い、彼女の食欲は激減した。 片手に持った、まだ半分程ある菓子パンを猫に向けて投げた。 「あげる。じゃあね、ポチ」 猫を"ポチ"と名付ける彼女のネーミングセンスはどうかと思うが、猫はそんな事を気にも止めず投げられた菓子パンを食べた。
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