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「さて……」
道が行き止まりになった所で、彼女は足を止めた。
別に道を間違えた訳でも迷った訳でもなさそうだ。
「まだかくれんぼするの??」
振り返らずに、後ろに居るであろう人物に話し掛けた。
「……ちっ」
隠れていた人物が舌打ちをして出てきた。
それは先程、ナンパしてきた男二人であった。
「いつから気付いてた??」
彼女はその質問を、唇に人差し指を付けながら答えた。
「コンビニを出た辺りから」
「…………」
男達は顔を見合わせて黙った。
どうやら、大方当たりの様だ。
「で、何かご用??コソコソ人の後をつけるのはあまり良い趣味とは言えないね」
それを聞いた男達は急に笑いだした。
「それを言う為にわざわざ人気の無い所に来たのか??こりゃとんだ世間知らずだ!!」
「そ、んで??口喧嘩しに来たの??だったら他を当たってくれる??」
彼女は彼らの方向に足を進めながらそう言った。
「馬鹿が、こんな人気の無い所来てただで帰す訳ねぇだろ」
「大人しくしろよ。そうすりゃ一回ずつで勘弁してやるよ」
彼らはそう言って唇を舐めた。
意図を酌んだ彼女は一言……
「キモっ……」
臭いに加えて彼らの発言にまで吐き気をもよおした彼女は胸を撫でた。
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