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特殊強襲連隊、デル・ヘンケル隊は一年前の戦闘で当時は人員が半減していた。
兵員1122名に対し、戦死者469名、行方不明者88名、軍病院に入院した者215名。
この215名の内、現場に復帰出来たのは半数に満たなかった。
戦死者数で言えば敗戦となるのだが、敵の戦死者はこの倍を行き、更には六倍の敵を撤退に追い込んだ事実は軍上層部も看過出来ず、この敗戦で罪に問われた者は皆無だった。
当時、役職上最高位であった副官のカズハが真っ先に責任を追求されると思っていたが、2日の査問会で簡単な質疑をするに止まった。
降格、或いは辺境の基地で資料整理でもやらされるのかと思っていたカズハも、これには肩を透かされた。
それどころか大尉への昇進、一時金を付与されるなど、戦勝の時と変わらぬ待遇に身構える始末だ。
今は門戸を広くし、傘下の強襲隊を迎え入れる事で連隊の形を保ってはいるが、当時の"一個師団に匹敵する実力"という肩書きは過去の物となったのは言うまでもない。
死刑執行人という名も名前負けの印象を払拭出来ないまま、年月は過ぎていった。
カズハはその名前負けと後ろ指を差されるデル・ヘンケル隊に、今も所属していた。
当時は辞めようと離隊届まで書いたが、誰に提出すれば良いのか分からず、結局破り捨てた。
実にカズハらしい残留理由である。
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