14人が本棚に入れています
本棚に追加
挨拶が終わり、解散していく隊員達。
その内の二人の隊員が愚痴を言い合っていた。
「俺達と4歳しか違わんのに、実働隊の隊長で来月には大佐か。羨ましい強運だな」
「マジで隊長になるとは思わなかったな。てっきり誰かが呼ばれるかと思ってたのに……」
二人は肩を落としたが、何者かにその肩を掴まれて強制的に上げさせられた。
「俺達の隊長に何か不満でもあるのか?」
その者は笑顔のドランツ、後ろには鬼の形相をしたシュナイダーが腕を組んで立っていた。
当時は少尉だった二人だが、現在は大尉となり、カズハを支えて来た最大の功労者だ。
この二人が空位の副官を担っていたと言っても過言ではない。
悪評に眉一つ動かさなかったカズハの替わりに、一番拳を振るって怒っていたのもこの二人だ。
「い、いえ!滅相も無い!」
「失言でありました!」
振り返って敬礼をする二人の下士官。
ドランツに殴られたのは二度目であり、今日で三度目となるだろう。
「クールダラス隊長は昔こそ幼気なお嬢ちゃんだったがな、今じゃお前らなんか片手で熨すお方だ。俺に殴られた方がマシだって事を、その身を以て教えてやろうか?」
「この前の継承試験では一時間に体術で20回倒せば良い相手を53回倒して、7人を入院させた。まだ時間があって記録を伸ばせたのに、飽きたと言って止めたそうだ」
最初のコメントを投稿しよう!