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「リリィは幾つなの?」
同性であまり年も離れていないので、友達と話す感覚で話し掛けるカズハ。
スピアも先輩と話す感覚で受け答えた。
「今年で16になります」
「へぇ、じゃあデル・ヘンケル隊で史上最年少の隊員じゃない?私の記録が抜かれちゃった」
舌を出すカズハに対し、スピアは首が一回転する勢いで振り回した。
「私なんて……!隊長みたいに入隊試験が厳しい時に入った訳じゃありませんし……」
「でも私が15の時は士官学校で課題に埋もれてたよ?それを考えたら、実戦経験のある貴女の方が一歩も二歩も先を歩いてるわ」
恥ずかしそうに俯くスピア。
だがすぐに顔を上げ、顰めた顔でカズハに質問した。
「隊長、お会いして間もないんですが、失礼な事を聞いて良いですか?」
カズハは首を傾げ、あまり間を置かずに頷いた。
考えを纏めたスピアは意を決し、口を開いた。
「正義って何なんでしょう?私のやっている事は、正義なんでしょうか?」
カズハはその質問に答えられなかった。
意識はしなかったが、少し困った顔をする。
カズハがそれに気付いたのは、スピアが慌てて訂正したからだ。
「す、すいません!失言でした……」
俯くスピアに対し、カズハは顔を覗き込んで笑顔を向けた。
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