貞子さん

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仕事帰りの閑散とした道路。 日曜日の夜という事もあってか、歩く人も走る車も疎らだ。 土日も関係無く仕事をする私ってちょっと偉くない? まぁ誰の為でもなく、自分の為にしているんだから偉くも何ともないけどね(はぁと) ところで皆さん! 私は何故こんなにハイテンションなのか、お分かりですか? 私は背後を見やった。 後ろには私と同じ位の年頃の女性、20代前半だろうか? 身長は160cm程、私より少し高い。 長くて綺麗な髪に隠れた顔もきっと綺麗なのだろう。 見た目はすっかり貞子さんだ。 この人を仮に貞子さんと呼ぶ事にしよう。 この貞子さんは駅から出てずっと私の後を付いて来ているのだ。 鬱陶しい事この上ない。 この人が人間なら文句の一つや二つと言わず、思い浮かぶ全ての文句を口にしていただろうが、この人は人間ではない。 貞子さんは幽霊なのだ。 あの映画を見ている人が聞いたら、何言ってんだこいつ?と思うだろうから訂正しておこう。 私の後ろに居る貞子さんは幽霊なのだ。 こんなのに後を付けられたら、ハイテンションにならざるを得ないだろう。 最近はよく幽霊が見える気がする。 私は頭を掻きながら溜め息を吐いた。
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