序章

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      「行ってきます」     ぴかぴかのランドセルを背負って、ぼくは今日から友だちになる子たちの中に混ざった。     ママは車に乗ると小さく手を振って、そのまま出かけていってしまった。     「お名前は?」     傷だらけのランドセルを背負ったお姉さんが、ひざを曲げてぼくを見つめた。     「たかし。さいとうたかし」     ぼくが応えると、お姉さんは満足そうに笑って歩きだした。     ぼくは、迷わないようにみんなに必死についていった。      
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