彼の名は 山田

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『山田ー! いつまで寝てんだよ! 天気いいから布団干せよー!』     『ふぁ~。花ちゃんおはよう。早いね休みなのに』   寝癖の頭をポリポリ掻きながら山田が起きてきた。   『山田が遅いんだよ。もう昼だよ、昼』   『だって昨日寝るの遅かったんだもん』     ソファーに座り、目の前の新聞をめくり出した彼にアタシは言った。     『さっきからアタシお腹すいてんだけど』   『んー、じゃパスタでいい?』   『よし! 10分で作って』  『えーっ、無理だよ10分なんて』   『作るんだ、よ!』   『はいはい』     新聞をたたみ、パジャマのままキッチンに向かう山田。   アタシはテレビを見て笑ってた。  
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