23人が本棚に入れています
本棚に追加
/20ページ
今日の俺は上機嫌だ。
なぜかって?それはな…。
くっくっくっく……
【ついに完成!コレさえあれば、みな俺に跪くこと間違いなしだ!今回の薬はスプレータイプだからな、隙あらばシュッだぜ!】
ふやーっひゃっひゃっひゃー
性懲りもなく、ヘイヂはまた怪しげな薬を作ったようだ。
ヘイヂの高笑いが当たりに響き渡るなか、一つの影がつかつかとヘイヂに近寄ってきた。
「お?ヘイヂじゃないか。そんなとこで何してるんだ?」
そこに偶然現れたのは、デーデマン家のコック兼何でも屋のデイビッドだ。
(何でも屋じゃないぞ~BYデイビ)
くっくっくっく……
【来たな。鴨がネギしょってWelcomeってヤツか。いや、飛んで火にいる夏の虫だーー!】
ドッカーン!
(ヘイヂの後ろで、戦隊モノなどに使われる火薬が意味なく爆発した)
…どっちでもいいよ。
と、心の中で密かに思ったデイビッドだった。
「で、今回は何よ?」
もう当たり前のような口振りでヘイヂに問う。
【ふっ…そんなに焦らずとも教えてやるさ。まったく、せっかちなやつだな。】
そう言って、すかさずスプレーをデイビッドめがけて吹きかけた。
「おわっ、何を…っ」
ヘイヂがデイビッドに薬を吹きかけると、たちまちデイビッドは煙につつまれていった。
煙が晴れると、そこには小さい子どもが立っていた。
短いブロンドの髪に、少しダボダボな白いコック服。間違いなくデイビッドだ。
「ん~、やられた。これじゃ、調理台が高すぎて料理ができないな」
そこかよ!と、突っ込みたくなるくらいにルーズなところも、まさしくデイビッドである。
【…成功だな。今度こそヤツに…ヤツにコレを!】
ふふふ…ははは…
また、高笑いが響いた。そんな上機嫌なヘイヂにデイビッドがふと尋ねた。
「なぁ、これいつになったら戻るんだ?」
【さあな、ちなみに解毒剤はつくってない。】
やっぱり…とデイビッドは思った。
「さて、どうするかな」
頭をポリポリとかきながら、地べたに座り込んだ。
するとそこに、またまた一人やってきた。
最初のコメントを投稿しよう!