戦う!セバスチャン

9/20
前へ
/20ページ
次へ
セバスチャンの部屋のドアが開くと、Bくんが現れた。 「セバスチャン。旦那様が呼んで……ユ、ユーゼ……………………………!!」 「いいところに来たね」 そう言って、優しげな双眸を細め、フフッとユーゼフは笑った。 過去に、あの時あそこでユーゼフにされたことを思い出した途端、身体が動かない。 瘴気を撒き散らすユーゼフに自分を見失いそうになる。 いつもなら粘着質な中にも、どこかそっと逃げ道を用意してたりする、小さな優しを感じさせる事すらあるというのに、今日のユーゼフは一味違う。 「一緒にセバスチャン達を観察していかないかい?」 満面の笑みで、こっちにおいでと手招きをする。 …そのとき初めて、セバスチャンとデイビッドが目に入った。 あまりにも小さすぎて、見落としていたようだ。 平穏な日々をむかえられない、デーデマン家はいつもはちゃめちゃで、二人が小さくなろうが大きなろうが、そんなのは日常茶飯事に過ぎない。 それを覆す出来事が、今Bの目の前で起こっていた。 あの攻撃的な殺意を振り撒いている史上最強のセバスチャンが、かわいいお尻を丸出しにして耳まで真っ赤にし、デイビッドに隠れるようにしがみついているのだ。 その時Bは思った。 これはチャンスかも知れない…俺が立ち直るための……! そうだ……! 今ここで、この状況に堪えることができれば、もしかしたら少しは落ち着けるかもしれないじゃないか! --そして!! 「捕獲完了❤」 頭の中でぐるぐるぐちゃぐちゃ瘴気でやられた状態で、指一本動かすことも出来ないまま硬直していたBを、幸せそうな笑みでユーゼフが抱きしめた。 B……いけにえ決定! ロメオへ⇒
/20ページ

最初のコメントを投稿しよう!

23人が本棚に入れています
本棚に追加