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セバスチャンの部屋のドアが開くと、Bくんが現れた。
「セバスチャン。旦那様が呼んで……ユ、ユーゼ……………………………!!」
「いいところに来たね」
そう言って、優しげな双眸を細め、フフッとユーゼフは笑った。
過去に、あの時あそこでユーゼフにされたことを思い出した途端、身体が動かない。
瘴気を撒き散らすユーゼフに自分を見失いそうになる。
いつもなら粘着質な中にも、どこかそっと逃げ道を用意してたりする、小さな優しを感じさせる事すらあるというのに、今日のユーゼフは一味違う。
「一緒にセバスチャン達を観察していかないかい?」
満面の笑みで、こっちにおいでと手招きをする。
…そのとき初めて、セバスチャンとデイビッドが目に入った。
あまりにも小さすぎて、見落としていたようだ。
平穏な日々をむかえられない、デーデマン家はいつもはちゃめちゃで、二人が小さくなろうが大きなろうが、そんなのは日常茶飯事に過ぎない。
それを覆す出来事が、今Bの目の前で起こっていた。
あの攻撃的な殺意を振り撒いている史上最強のセバスチャンが、かわいいお尻を丸出しにして耳まで真っ赤にし、デイビッドに隠れるようにしがみついているのだ。
その時Bは思った。
これはチャンスかも知れない…俺が立ち直るための……!
そうだ……!
今ここで、この状況に堪えることができれば、もしかしたら少しは落ち着けるかもしれないじゃないか!
--そして!!
「捕獲完了❤」
頭の中でぐるぐるぐちゃぐちゃ瘴気でやられた状態で、指一本動かすことも出来ないまま硬直していたBを、幸せそうな笑みでユーゼフが抱きしめた。
B……いけにえ決定!
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