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最悪だ・・・。
彼氏に裏切られた。
もう何も信じられない。
私には朱音しかいない。
もぅそれでいい。
これ以上傷つきたくない。
私は中西 美桜(なかにし みお)。ハタチ。
5歳の時、両親に捨てられて、施設で育った。
18歳で、同じ施設で親友の伊東 朱音(いとう あかね)と2人暮らしを始めた。
朱音もハタチ。
朱音は生まれた時から施設。
だから、親の顔なんて当然知らない。
私は微妙に覚えてる。
でも親なんていらない。
覚えてない方がいい。
朱音は能天気。
何に対しても深く考えない。
私は反対だから、朱音が羨ましい。
たまに朱音に、考え方が重いって言われる。
でもね、5歳の時の「すぐ来るから待っててね。」って言って二度と戻らなかった両親の後ろ姿・・・
頭から離れない。
それから、初めて話しかけてくれた朱音だけが、私の家族。
施設を出る18まで、朱音意外に信用した人はいない。
特に大人。
絶対に信じない。
おかげで、学校でも施設でも、「暗い」とか「何考えてるか分かんない」とか言われる。
学校では当然友達なんていない。
でも、私は朱音さえいればいい。
家族だから。
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