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「・・・おじさん・・・誰?」
少年は泣き晴らした目蓋を私に向けた。
石橋「おじさん!!ガキにとってはおじさんかよ・・・・」
多少ガックリしながらも、少年のロープを解いた。
少年はオロオロしていた。
石橋「おいガキ、早く出て行けよ。邪魔だ。」
化け物を斬る時に少年も斬るかも知れない。
当時の私にも、その程度の配慮はあった。
「僕・・・目をあげなくてもいいの?」
石橋「あん?どうしてもくれてやりたいなら、好きにするがいいさ。」
私はぶっきらぼうに応えた。
子供の命より、化け物を斬る事の方が大事だったからだ。
少年は未だに立ち去ろうとはしない・・・
石橋「・・・ち!!見学したいなら、入り口の方に隠れて見てな。」
少年を広い空間から追い出した。
刀を握っている手が汗ばんでいた。
まだ目無しの本当の恐怖を知らない私でも、あの負のオーラはやはり感じざるを得なかったのだ・・・
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