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「マ、マジかよ!!」
神刀を折られた私は、ただ呆然としていた。
その間にも、目無しはもう片方の目玉を探して子供の身体を引き千切っていた。
ブチッ…ブチッ…
引き千切っては口に入れ、吐き出す・・・・
その時に、私は初めて背筋が凍った・・・
この化け物は・・・・
目ん玉に執着してやがるんだ・・・・
目ん玉欲しさに、ただ殺してるんだ・・・・
執着ほど恐ろしい物は無い。
それを得る為に、他は一切気にしない・・・
例え自身の身体を斬られようが、目さえ得れればいい・・・・
もう片方の目玉をようやく探し当てて、口に放り込んだ目無し・・・・
カリカリカリ…カリカリカリ…カリカリカリ…
エクスタシーすら感じているような表情は
より私の恐怖を誘った。
私は逃げた。
洞穴から、一目散に走って逃げた・・・・
まだ夜が明けない村には、バスは来る訳が無い。
無論タクシーもあるはずは無い・・・
私は村から、走って逃げた・・・・
夜が明けて、ようやく車が走り始めた。
通り掛かったトラックの荷台に無理やり頼み込み、村からかなり離れた場所に来て初めて
安堵した私は身体を震えさせた・・・・
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