88人が本棚に入れています
本棚に追加
意味を調べるために帰ろう。
ヒーローはそう思った。
たが仕事を放棄し、人前に姿を晒した出前基地に帰ることはできない。
――とりあえず人のいないところに行こう。
そう考え森に向かうために、空へと舞い上がった。
空から地上を見下ろすと、ゴマ粒のように小さい人間がひしめき合っている。
自分が体を張って、救ってやってると思っていた人間。
その姿は存外ちっぽけなものだった。
「まるで人がゴミみたいだ……」
呟き、森へ向かった
先ほどとは打って変わって、空は晴天。
雲一つ無い。
ヒーローの心とは裏腹だった空は未だにその態度を変えることなく、存在し続けている。
晴れ渡っている空に、二つ程雲を見つけた時、同時に森も見つけた。
たくましく生えている木々には大した隙間はなく、とても人は入れそうにもない。
安全性を確認し終え、森の中に着地した。
最初のコメントを投稿しよう!