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近くの椅子を引くと漣に座るよう促した
少し驚きながらも素直に腰を下ろしたのを確認すると俺は近くの壁に背を預けもたれ掛かる
「詳しい理由なんか分かんねぇよ…
でも見つける事よりもその過程が大事だったんじゃないかと考えた
…考えたってゆうより漠然と感じたってのが本当の所だな
ここで最初の疑問に戻ろう
何で俺だったのか…
価値のあるものだったら警察に通報するはずなのにしてないよな
まぁそれにはリスクがついてくる訳だからしない選択肢があるのもわかる
でも…先生達には言うべきなんじゃないのか?
ある意味スポンサーに近い
学校の名前を売るチャンスなんだから俺なんかよりよっぽど必死になって探してくれるのはお前だって分かってた筈だよな…
なのに俺だけに言ってきた
どう考えてもおかし過ぎる
それにお前の態度だ
あと数日間で見つけて仕上げなきゃならないのに余裕すぎる
焦る必要がない理由で考えつくのは一つだけ
隠された場所を知ってるからだ
場所を知っている理由で考えられる可能性は2つ…
暗号を解いて見つけていた
でもこれは俺に頼んだ時点で消去される
もう一つは…犯人
これなら納得がいくんだ
焦らない理由も…妙な言い回しの理由も…
頼んでから今までお前は一言も言ってないんだ
…“盗まれた”ってな…
“犯人”とも言ってない
そう…犯人なんかいないんだよ
描いた本人が隠したんだから…
犯罪にはならない
しいて言うなら“ゲーム”だよな
宝探しゲーム
とまぁこんな感じだ
んじゃ最初の質問に戻るが何でこんな事したんだ?
俺には…
いや…俺達には聞く権利がありお前には話す義務がある
と言うより元々この瞬間が目的だった…違うか?」
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