派遣マンができるまで~序~

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いつものように仕事へ向かう為、慌ただしく準備をしていると哀しげな視線を感じる 振り向くとそこにはぬいぐるみを抱きしめてジッと私を見つめる亜希が…… そこに会話は無く、ただ涙がこぼれそうな瞳だけが印象的だった コイツのこんな顔見るのヤだな… そう思いながら着替えを済ませ煙草に火をつけながら私は呟く… 『亜希、今日から店にこなくていいよ』 亜希は驚いた顔をする 『でも…、』 『いいから。落ち着いたら俺も辞めるよ』 亜希はうつむいていた 私には素直に喜べない亜希の気持ちが分かっていた 本当なら私も一緒に辞めてあげたかった そうすればお互いの悩みは無くなるのだから… しかし私にはすぐに辞めることが出来ない理由があった…
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