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私は悪気を感じながら、お菓子と麦茶を運んだ。
「お菓子食べて」
「あぁ、ありがと」
会話が続かない。やはり、私たちは所詮ここまでなんだわ。
「エビスナックとか懐かしいな。初めてお前の家来た時もこれ出たよな」
「そぅだったかしら」
「お前が美味いから食え食えってうるさくてな」
「あの頃は楽しかったわよね。私の好きなモノを貴方に教えたくて仕方なかったもの」
久々に続いた会話。弾んだ会話が私の心に刺さる。
「私、貴方に言わなきゃいけないコトがあるの」
彼はずっとエビスナックを食べていた。
「私、貴方の愛わからないの」
彼の食べる手が止まった。「悪いのは私だってわかってる。けど、もぅダメなの。貴方の愛が信じられないの。本当に愛されてるのかわからないの」
「謝る必要はないよ。お前のコト考えてやれなかった俺も悪いし、不安にさせたし」
私は涙を流した。
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