もとさや

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‐次の日‐ 学校に行くと靴箱には タオルが落ちていた あたしが彼にあげたタオル 彼のために一時間かけて選んだタオルだった でも今は泥まみれでみんながふんでいる 捨てられたタオル。 悲しそうなタオル かわいそうなタオル あたしは涙を抑えながら そのタオルを拾って彼の靴箱にそっと入れた あたしもいつかあんな風に捨てられるのかなぁ ‐それから数日後の昼休み‐ あたしは先生に用事があり職員室に行った 「失礼しま‐す! ○○先生いらっしゃいま…… え………?」 「どぉしたの?」 「先生、これ…」 「ああそれは落とし物箱よ。自分の物でもあったの?」 「………いやあたしのではないんですが…」 そう。 落とし物箱に入っていたのは紛れも無くあのタオルだった.. あたしは言葉を失い 職員室を出て 全力で階段をのぼり屋上に行った
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