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夕飯を食べ終ると、タカシはニコニコとお皿を重ねてキッチンへ。
ミサは彼の背中にありがとうと言うと、ワインのグラスと共にソファに座りなおした。
「ふぅ。」
ワインがグラスに遅れてクルクル回る。
ミサは、柔らかく笑った。
「アイス食べるー?」
キッチンからタカシの呑気な声。
ミサは笑顔のまま答えた。
「いらなーい。まだワインあるもん。」
口をモグモグ、タカシがキッチンから帰ってきた。
ミサの横に座り、手に持ったアイスをまたモグモグ。
「太るよ。」
「カロリー低いから大丈夫。」
タカシは中肉中背、けして太ってはないが、ことあるごとに、ミサはケチをつけていた。
太っちゃダメ
もっとオシャレに
ちゃんとリードして
まったくひどい言われ様だが、タカシはとくに言い返さなかった。
運動しないとねー
じゃあ、こんどから一緒に服買いに行こう
リードかぁ、頑張ってみるよー
そういう時、ミサはかるくため息をついている。
だから、タカシは不安だった。
ミサは自分の事が好きではないんじゃないかと。
だから、タカシは驚いた。
ミサが今、自分の膝にもたれかかってきたのだから。
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