いばらの冠

13/17
前へ
/200ページ
次へ
「高須賀…」 試合を終えたはずの彼が一人、練習をしていた。 よほどたくさん打ったのか、周りには多数のボールが転がっている。 「なんか…かっこ悪いところ見られちゃったなぁ。」 そう言って、寂しそうに高須賀は笑った。 「せっかく応援に来てくれたのに負けちゃって…悪かったな。」 「そんな…ことないよ。2人ともがんばったじゃん!私…バスケのことはよく分からないし、負けちゃったけど…かっこよかったよ、高須賀!!」 私は精一杯の笑顔で答えた。 「ありがとうな、夕海。」 高須賀も笑った。 その時の、彼の笑顔を見た瞬間私の中で何かが溢れたのだった。
/200ページ

最初のコメントを投稿しよう!

45人が本棚に入れています
本棚に追加