第二十一夜話 天才バカボン

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第二十一夜話 天才バカボン

天才バカボンって知ってるよな? 誰でも知ってるよ。 あれ、赤塚不二夫のギャグ漫画なんだがいくつか怖い話が収録されているんだよ。 また都市伝説か? いや、都市伝説じゃなくて、本当に天才バカボンの話の中にあるんだ。 ふ~ん。どんなの? ある日バカボンのパパがバカダ大学の後輩に鍋を招待されるんだな。 ほう。 で、家に行くんだが、後輩は昔からパパには自分の片手しか見せないんだよな。 片手? 彼の家族にしても同じで奥さんも子供さんも片手しか見せない。 挨拶も会話もすべて襖や台所から手だけ見せて会話をする。 パパも『姿を見せなさい!』と後輩を追うのだが、絶対に姿を見せない。 結局、鍋は後輩家族とパパと部屋を別々にとり、襖の向こうの三人の鍋をつまむ手だけを見ながらパパも鍋を食べるんだな。 それで? パパが帰った後その家は火事になるんだ。 火事? そう…それでその火事の現場の家から三本の手が発見されるんだな。 結局、身体はなかったんだな…。 意味は良くわからないけど何か、もの悲しさと不気味さがあるよな…。 確かにちょっと怖いわ。
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