第十二夜話 人骨

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第十二夜話 人骨

おじいちゃんがな、田舎から東京に出てきた時の話だわ。 仕事である現場で作業をしていたんだが、作業車で穴を掘っていたら人骨が出てきたんだな。 作業はストップして、専門の人の手により人骨は移動されたんだが、馬鹿なお調子者の同僚がその跡におしっこをひっかけたのさ! みんな、やめろやめろ言ったが一行にやめない。 みんなはあきれて放っておいたんだが、その同僚のいる方から「ぎゃー!」と言う声が聞こえたんだ。 尋常じゃないその声に慌ててみんな駆け寄ったんだが、口から顎にかけてぱっくり割れて血が吹き出している。 どうやら、仲間の誰かが手をすべらせてスコップを放り投げてしまったのが直撃したらしい。 すぐに救急車を呼んだんだが、びっくりしたわ! 何がびっくりしたかって? その同僚が運ばれる姿と人骨の穴の中での姿が全く同じだったからさ。
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