第二十八夜話 純喫茶

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しかし、20分位経ってもトイレから女性は出てきません。 少し、気になりましたがもう少し様子を見ていました。 30分経ちました…。 自殺…。 私は、あの話を思い出しました。 ホールに居たスタッフと厨房の人間に、トイレから客が出てこない話をしましたが誰も見ていないと言います。 え?お客さんトイレ入ったでしょ! はい?知りませんよ。 私は、キツネにつままれた思いで女子トイレを開けました。 …いませんでした。 私の前を通っていった女性の姿はありませんでした。店をまわりましたが、男性客ばかりです。 私はレジに戻りました。 その時、トイレの方に視線を感じ振り向きました。 あの女性がいました。 しかし、女性はレンガの中へす―と入った様に見えた瞬間!大きな黒い影が私の頭上から降りてくるのがわかりました。 その大きな影は私をゆっくり包むように降りてきました。 私は、身体が全く動けない状態になってしまいましたが、影が抜けた瞬間ふっと楽になりました。
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