第二十九夜話 おいてけ…

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早速、夜中にみんな集まり、彼女は赤ん坊を背負い肝試しに出ていったんだな。確かに怖さはあったのかもしれないが意外と簡単にお札を取ることは出来た。 若い海女さんはお札を取ると帰り道は思いきり走ったらしい。 すると…、小さな声で、おいてけ… と。 若い海女さんは怖くなり更に早足で階段を降りていったそうだ。 おいてけ…。 おいてけ…! おいてけ~!!!!!!! その声は段々大きくなり、最後は絶叫!になったと言う。 若い海女さんはそれでも振り返らずに仲間の元へ帰って行ったそうだ。 はあ はあ はあ はあ はあ …も…戻りました…。 どうだった!何か起きたかね! おいてけと、声が…声がしました…。 そうか。…お札は? これです…。 とにかく中へ。 一番年長の海女さんが、若い海女さんを部屋の中に入れようと背中を抱えたんだな。 年長の海女さんはびっくりしたそうだ。 背中の赤ん坊の首が何者かにもぎ取られていたそうだ…。
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