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「悠。」
悠はオレにしがみついて涙を流していた。
「悠、俺は今でも悠のことが好きだよ。・・・だから、こんな悠の姿は見てられない。悠をこんなに傷つけるならオレが悠を奪ってあげる。」
その言葉に私は驚いて顔を上げたとき私の頬に手が触れたと思ったら唇がかさなった。
離れようとするけど、浅月の力が強くて離れられない。
やっと自由になって、何をするの!?って言おうとしても声が出なくて・・・。
「将吾君・・・俺は本気で悠を奪うよ。そう決めた。悠を泣かせるなんて俺は許せないから。」
浅月の視線を追ってその先を見るとそこには将吾がいた。
「・・・。」
たとえ不意打ちだとしても悠香にあんな思いをさせたのは事実だった。本当に俺はアイツのことを幸せにできるのかと不安にもなってきた。
浅月とキスをしている悠香を見ているのはイヤで怒りも湧いてきた。
でも、浅月にそれを言った所で、それは今の悠香の心のうちと同じだとでも言われるのが落ちだった。
俺は、どうするこもできずにその場から去ることしかできなかった。
もしあいつが未来を見ることができたとしたら、この未来を見て、生きていてもいいことなんてないと思っていただろう。
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