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こういうのは心で感じるものだろう。
俺は、そんなのんきなことを考えていた。そのうちにも、悠香の心が離れるような出来事はおきていたというのに・・・。
私はやっぱり謝ろうと思って、将吾の通っている専門学校に来ていた。一人じゃ心配だからって、浅月も一緒に来ていた。
校内を歩いていると気になる話題が聞こえてきた。それは将吾とあの女の人のことだった。
名前が聞こえてきただけで悠の顔色が変わった。色んな所で噂が流れていた。その噂の内容がはっきり聞こえたとき、悠の表情は一気に暗くなった。
内容は、将吾君と瑞綺という人が付き合っているということだった。
悠と付き合っているはずの彼がそんなことをするわけはないのだが、俺は信じている悠に何て言ったらいいのか迷っていた。
将吾君との仲を戻そうと考えている俺と、将吾君のそばにいてつらい思いをしている悠を見ていられないという俺がいて、どうすればいいのかなやんでいた。
そんなことを考えながら悠の後ろを歩いていると悠が足を止めた。
「・・・帰るか?」
悠は泣きそうな顔をしていた。こいつにとっては本当に初めての恋人で、一度失った心を全てくれた人。心を失くして一番はじめに優しくしてくれた人。
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