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でも、そんな安らぎもつかの間だった。その公園はどうやら将吾の行っている学校の近くで、将吾の知り合いの女の人が来た。
「将吾がここにいるなんて珍しいね。」
「あぁ・・・瑞綺か。」
「どうしたの?こんなところで。」
「彼女とデート。」
「あぁ。この子?将吾の言っていた彼女って。」
「そう。」
「へぇ、かわいいじゃない。」
「そうだろ。」
とても、親しそうに見えた私以外の女の人を下の名前で呼んだことなかったのに・・・。
少しショックだった。
さっきの安らぎも消え、不安に満ちる。
見た目は将吾より年上か同い年くらいに見える。とても綺麗な人だった。
この光景を見て、やっぱり将吾は女の人にモテるんだなと思った。
二人は同じ学校に通っている故に共通の話題があって、話がつきない。
同じくデザインの勉強しているからそれも当たり前なんだろうけど。
二人の世界を邪魔しないように私は静かに帰った。
「でね・・・って、あれ、彼女は?」
「え・・・あっ悠香!!」
「帰っちゃったみたいね。ごめんね?私が長話なんてしちゃうから。」
「いいよ。じゃあ、オレはもう行く。」
「うん、じゃあね。」
瑞綺にいわれるまで、悠香のことを忘れるなんて、最悪のことをしたと思ってる。
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