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「結構可愛い子いるわー!恭ちゃんも見なよ!」
「…興味ねぇって…」
屋上から双眼鏡で下を見下ろす菊の隣で俺は学校に来たことを早くも後悔し始めていた。
「…マジ眠てぇ…」
「寝てもいいけど?」
「他人が居ると眠れない俺の体質知ってんだろ。」
そう。
俺は菊や亮介以外の人がいると眠れない体質なのだ。
神経質なのかどうなのかは分からないが、小さいころからずっと変わらない体質のため、寝不足になることなんてしょっちゅうだった。
「屋上なんていつ誰が来るか分からないところで眠れるかよ。」
「うちの学校の王子様は神経が細いですねぇ。」
「こんな学校に居れば嫌でも神経細くなるわ。」
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