バイト

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「あれ…?」 一番奥の座席の隅っこに見たことのある顔がいる。 俺と同じ学校の制服を着ているが、顔はうつむき加減の為、よくは確認出来ない。 だが、俺には何故だかすぐに分かった。 あれは桜吹雪の中で見た彼女に間違いない。 「な、なんで…?」 同じ電車だったのか。 今までまったく気がつかなかった。 寝ているのか、彼女の体が電車の揺れにあわせてどんどん横へとずれていく。 今にも横になりそうなくらい彼女の体は傾いている。
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