内緒の彼女

日常

「あいつ…最近反抗期だな。」

昔は俺の後を兄ちゃん兄ちゃんとついてくるだけだったが、いつの間にか俺のことを兄貴と呼ぶようになったし

別にブラコンっていうわけではないがちょっと寂しい。

「恭ちゃん！！！！！」

ひとりで感傷にひたっていると部屋の扉がけたたましく開いた。

「…菊…」

「おっはよー！新学期の始まりだよん。」

派手な頭の色にでかい体の強面な見た目とは裏腹に能天気な声で部屋に入ってきたこいつが菊。

本名は須藤菊太郎。

こいつの家はもともと華道をやってる伝統的な家柄の家らしいが（だから名前も花の名前）仕来たりだのなんだのが面倒くさいらしく、俺と毎日遊び歩いてる。

下の名前で呼ばれるのが嫌いらしいが俺は敢えて下の名前で呼んでいる。